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犬アトピー性皮膚炎について|繰り返す痒みに注意!

2024.05.01

犬アトピー性皮膚炎を発症するわんちゃんは近年とても増えています。
人気犬種での発生も多く、非常に強い痒みに悩まされることもあるため、関心を持っている飼い主様も多いのではないでしょうか?
今回は、犬アトピー性皮膚炎について解説します。

原因

犬アトピー性皮膚炎は、慢性的な痒みを特徴とするアレルギー性皮膚炎です。
その主な原因として、遺伝的素因、アレルゲンの存在、皮膚バリア機能の低下などが関わっていますが、その病態はとても複雑です。
痒みを起こす原因には個体差があるので、同じ「犬アトピー性皮膚炎」であっても、症状がひどくなる時期や症状の程度には、それぞれのわんちゃんによって違いがあります。

犬アトピー性皮膚炎の根本的な原因は、遺伝的素因と考えられ、日本でよくみられる好発犬種には、柴犬、シーズー、ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバー、パグ、ウェスティ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルなどが挙げられます。

アレルゲンとしては、ハウスダストマイトや花粉などの環境因子がほとんどと考えられています
原因となるアレルゲンによって、季節性に症状が出ることがあり、その多くは春から秋にかけて悪化する傾向があります。例えば、スギ花粉がアレルゲンの場合、春に症状がひどくなります。
ハウスダストマイトが原因の場合は、通年性の症状がみられることが多いです。
食物アレルゲンが関係している場合では、常用しているフードに原因となる食材が含まれると通年性の症状になりますが、フードをローテーションしていると、その食事を使用している時期に症状がみられます。

そして、犬アトピー性皮膚炎のわんちゃんでは、皮膚バリア機能の低下が問題となります。
皮膚バリア機能が低下した状態は、環境アレルゲンが体内に侵入しやすく、さらに、皮膚の乾燥、脂漏、常在菌の増殖といった犬アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる要因を招きます。
そのため、皮膚バリア機能の改善・維持のためのスキンケアが非常に重要です。

特徴

犬アトピー性皮膚炎は、3歳齢以下での若齢発症が多く、症状としては、慢性的な痒みが特徴です。繰り返す痒みに対し、わんちゃんが掻き続けることで皮膚炎を起こします。
皮膚炎は左右対称にみられ、眼の周り、口の周り、耳、脇、足先、おなかにみられます。皮膚炎を繰り返すと皮膚が厚くなったり、厚くなった皮膚が黒っぽく色素沈着したりします(皮膚の象皮化、苔癬化)。
痒みがひどいわんちゃんでは、引っ掻く、体を擦りつける、舐めるといった痒みに伴う行動が常にみられ、夜もよく眠れないという状況になるケースもあり、そういったわんちゃんの様子は飼い主様にとって心を痛ませる悩みとなります。

診断法

犬アトピー性皮膚炎には特定の診断法がないため、犬アトピー性皮膚炎に似た痒みのある皮膚病を除外するという方法で判断します。そのため、診断には時間を要し、数ヶ月以上かかることも多いです。

治療法

犬アトピー性皮膚炎は完治が難しい疾患ですが、適切な治療を受けることでわんちゃんの生活の質を保つことは可能です。
症状が強く出ているときには、適切なお薬を使用して、症状を軽減させることが大切です。
そして、治療により症状が落ち着いているタイミングで、症状を悪化させずにコントロールできるような薬以外のケアを始めましょう。
薬以外のケアには以下のようなものがあります。

アレルゲンを防ぐ

アレルゲンとなる花粉が飛散する時期には、散歩時に洋服を着せ、飼い主様も外から室内に入る前には服の花粉を払い落とすなどの工夫をしましょう。
食事では、もし食べ物がアレルゲンとなる場合は、その食材を避けることが必要になります。
ただ、最初は食物への反応がなかったわんちゃんが、年齢を重ねることで食物へのアレルギー反応を起こすことがあります。そのため、わんちゃんに使用しているフードやおやつの食材をある程度把握しておくことが重要です。
必須脂肪酸やビタミンEを多く含む食事は、皮膚バリア機能の改善や皮膚炎の回復に効果があると言われています。皮膚のコンディションに配慮したフードを使用することも良いでしょう。
皮膚や被毛の材料となるアミノ酸は食事中のタンパク質から供給されます。ドッグフードのタイプ(ドライフード、ウェットフード)については、どのタイプのフードがより良いということはありませんが、加工方法の違いから使用される原料や成分値に違いがあります(高温高圧処理をしない製法の方が、タンパク質など栄養素の変性が少ないと言われています)。
わんちゃんの嗜好性や飼い主様のお考えなどにより、適切なフードを選んでいただくと良いでしょう。

体質改善(腸活)

善玉菌の多い豊かな腸内細菌叢がアトピー性皮膚炎をはじめ、皮膚に起こる炎症を抑え、症状の改善やお薬の減量に繋がると考えられています。乳酸菌に加え、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を摂取できる食事やサプリメントの使用を取り入れることも良いでしょう。

ストレスの少ない生活

十分な運動や遊び、飼い主様との触れ合い、十分な睡眠や休息をとることなど、とても基本的なことですが、わんちゃんが満たされて安心できる生活環境を意識しましょう。

スキンケア

犬アトピー性皮膚炎のわんちゃんにとって、皮膚バリア機能を改善・維持することはとても重要なポイントになります。
保湿を継続することで、症状が再発するまでの期間を延長させることができます。症状があるときだけでなく、落ち着いているときにも、日常的に保湿を続けましょう。

保湿

保湿剤には様々な種類がありますが、使いやすく、わんちゃんが受け入れやすいものを使用して継続することが大切です。
外用剤だけではなく、内側から皮膚に作用するサプリメントを使用することも良いでしょう。

シャンプー

わんちゃんの皮膚の状態に適したシャンプー剤を選択し、正しい頻度で行いましょう。シャンプー後は皮膚が乾燥するため、保湿を十分に行うことも大切です。

まとめ

犬アトピー性皮膚炎には悲観的なイメージがあるかもしれません。
確かに完治は期待できず、生涯にわたる治療が必要になることが一般的です。
ですが、正しい知識を得て、適切な管理をすることで、犬アトピー性皮膚炎の治療を通じた全身の健康管理ができるという面もあります。定期的な通院で獣医師の診察を受けることは、他の病気の早期発見に繋がることもありますし、犬アトピー性皮膚炎の治療にサプリメントを使用している場合、その成分が全身に作用しますので、わんちゃんの健康維持に役立つことも期待できます

わんちゃんの症状に合わせた適切な治療を受けることが大切です。併せて、皮膚のコンディションを良好に保てるよう、薬以外のケアも検討していただくと良いでしょう。

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